小杉放菴の専用画紙「放菴麻紙」を、初代から
漉き続けてこられた越前和紙の「岩野平三郎製紙所」
三代目岩野平三郎(本名:和夫)氏が1月20日に
亡くなられていたことが、福井県立美術館の
昨日のFacebookで分かりました。
10年ほど前、岩野平三郎製紙所に電話をしたとき、
最初に出られた妹さんが暫くの沈黙のあと、
「……イヤー、暫らく振りに放菴先生のお名前を
伺いました」と電話口でお話しになりました。
それほど、いままでに誰も電話しなければ
伺いもしなかったのです。
「小杉放菴研究舎で、ぜひ、お伺いしたい」とお願いすると、
「どうぞどうぞ、お待ちしています」と御返事をいただき、
2007(平成19)年7月に、研修旅行で訪問しました。
その後も、岩野平三郎製紙所には、
2012(平成24)年の9月から11月にかけて、
小杉放菴記念日光美術館で開催された、
〈開館15周年記念 越前和紙の魅力 小杉放菴と
岩野平三郎〉展のために、何度か足を運びました。
そのたびにお会いした三代目さんは、正に実直な方で、
温厚で優しい語り口からは学ぶものが多くありました。
謹んで哀悼の意を奉げます。