なぜ、今頃と叱られそうですが、御容赦を願います。
昨年の10月29日と30日に、小杉放菴の足跡を辿り、
秋田県を巡ってきましたので、御報告します。
29日に、小杉放菴が1941(昭和16)年に作詞し、観世流の谷村直次郎氏が作曲した
謡曲『象潟』を謡い継いでおられる、「あきた観世の会」(秋田県観世流謡曲連盟)の
皆さまと交流を行ない、『象潟』を御披露いただきました。
この会では、1999(平成11)年7月2日に小杉放菴記念日光美術館で
公演された『象潟』(シテ役は、 元・栃木県知事の渡辺文雄氏)の
新聞記事をインターネットで見て、これを期に、関係者に協力を依頼し、
秋田の謡曲として謡い継いでいるそうです。
秋田民俗芸能伝承館での交流会
その後、銘酒「太平山」の蔵元である
小玉醸造株式会社を訪問し、工場のあまりの広さに驚きました。
『放菴日記』の1932(昭和7)年9月25日の項には、次のような記述があります。
……十時の汽車にて羽後飯塚に行く、太平山の酒元 小玉家に行き 酒作る工場をみせもらい 発動船にて八郎潟に泛ぶ……
小玉醸造株式会社の工場
翌30日には、『奥の細道』で有名な象潟に行きましたが、「道の駅」が出来ていて、
最上階の展望台に登ると、九十九島の名残の様子が良く分かりました。
坩満寺
象潟
その後、酒田市に向かい、同地が生んだ鬼才、写真家の土門拳を
記念した「土門拳記念館」にて、迫力ある写真を堪能しました。
とくに、今回の展示が東日本特集でしたので、日光東照宮の
「陽明門」「唐門」「眠り猫」の3点が展示してありました。
この報告を、土門拳の愛弟子であった西川孟(孟宏)先生に伝えようとしたところ、
昨年10月25日に逝去されたとの喪中ハガキをいただきました。誠に残念の極みです。
土門拳記念館